導入事例

Chromebook

【学校法人若松学園 高稜高等学校】
「もっと使いたい」生徒のポジティブな反応を引き出した1人1台の準備と工夫

#個人購入#BYAD#1人1台
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校内のICT環境を整備し、「最高の環境」で1人1台の Chromebook を整備された「高稜高等学校」様。
「生徒用端末に Chromebook を選んだ理由と評価」「導入前の環境整備」「Chromebook 導入時の工夫と結果」「活用法とメリット」「今後の展望」などについてお話しいただきました。

学校詳細

本校は明治35年、石炭景気に沸く若松に創立しました。校名を高稜高等学校と改め、市内初の男女共学普通科高校となってからも37年の歴史があります。今、社会や学校が大きな変化のときを迎え、本校も生徒と共に ICT 教育という新たなチャレンジをしています。生徒たちが輝く人生を送るためにも、未来を見据えた取り組みを続けて行きたいと考えています。

学校名 学校法人若松学園 高稜高等学校
住所 〒808-0103 福岡県北九州市若松区二島1丁目3-60
TEL 093-791-3911
FAX 093-791-3542
HP http://www.kouryou.ed.jp/

お話をお聞きした先生方

高稜高等学校の先生方

企画広報主任 特進主任 
古賀和浩 先生(中央)  
企画広報副主任 
木村美静 先生(左)  
進路指導部 
小林剣 先生(右)

ICT 推進委員会のメンバーとして、古賀先生を中心に 1人1台の端末導入をはじめとした校内の環境整備や ICT 活用を推進。ICT 推進委員会は5教科の教員から1人ずつ選ばれており、古賀先生は国語、木村先生は英語、小林先生は数学を担当されている。

1人1台の Chromebook 導入まで

2014年 ● 一部、校内ネットワークの整備が行われる
2021年 ● 校内ネットワーク、教室用プロジェクター、黒板に代わる教室用ホワイトボードなど、ICT環境の整備を進める
2021年3月 ● Google Workspace for Education(以下、「Google Workspace」と表記)の利用を開始する
2021年4月 ● 教員用端末として Chromebook(40台)を導入
2021年5月 ● 2021年度新入生に対し、学習者用端末として1人1台の Chromebook(200台)を導入
2022年 ● 教員用端末として Chromebook(20台)を導入予定。これにより教員(非常勤講師含む)も1人1台の環境が整う

生徒用端末に Chromebook を選んだ理由と評価

キーボード標準搭載とコストパフォーマンスを評価

インタビュアー:当初は、Windows OS のパソコンも生徒用端末として導入候補に挙がっていたとお伺いしました。最終的に Chromebook を採用された理由はどのようなものでしたか?

古賀先生:キーボードが付いていて、安価なことが主な理由です。キーボードがないものは、高校生には最適な選択肢ではないということになりまして。iPad だと追加でキーボードを付けることになるので、Windows のノートパソコンか、 Chromebook の2つが候補に上がりました。

「起動が速い」試用段階で教員からの評価も

古賀先生:ちょうど自宅で利用しているパソコンが壊れたので、Chromebook の実機を使ってみようと思い、2020年の4月頃に Chromebook を個人的に購入したんです。その Chromebook を何度か学校に持ってきて、何人かの教員と感想を話していました。「Windows パソコンのような難しいこと全てはできないかもしれないけど、起動も速いし、こんなにサクサク動くならいいよね」と、2、3人の教員が購入したんです。その結果、Chromebook には Chromebook の良さがあるということを教員にも理解されたというところでしょうか。

インタビュアー:元々ご興味がおありで個人的に購入されたとのことですが、古賀先生は Chromebook をどういった経緯でお知りになったのですか?

古賀先生:ICT導入に関して色々と調べる中で、Chromebook を採用している学校の情報を目にしました。また、ニュースで G Suite(Google Workspace の旧名称)関連の情報もよく取り上げられていたので、そこで Chromebook を知りました。

インタビュアー:存在を知っているという程度から、ご自身でお買い上げになって使ってみたということですね。最終的には教員全員の意見を聞かれた上で、Chromebook を導入されることになったのでしょうか?

古賀先生:推進委員会で「Chromebook を採用したい」という提案をしてOKをもらいました。特に、 Chromebook は使ったことのない人が多い端末なので、単純に多数決をすればおそらく選ばれなかったんじゃないかなと思います。2020年の12月頃から Chromebook のCMがよく流れていたと思うのですが、管理職の立場からも「TVでCMが流れている Chromebook 」という認知があり、風向きが変わりました。最初は Chromebook に対して懐疑的な意見が多かったのですが、やはりCMの効果は大きかったですね。

インタビュアー:全く知らないものを採用する場合は不安も生じやすいですよね。

古賀先生:やはりそこを超えられるかどうかですね。最初は、「Chromebook ってなに?」という質問に答えることが一番大変だったかもしれません。

充実した保証内容も端末選定のポイントに

インタビュアー:Chromebook を選ばれた理由には、付けられる保証の内容が充実していることもあったと伺いました。弊社が提案させていただいた、基本は何回でも無償で修理ができるという内容のことでしょうか?

古賀先生:そうですね。Windows の端末では、ミカサ商事さんに提案していただいた保証のような、充実した内容のものを同じコストで付けられることはないと思いました。安価で良い保証、かつ教員の手間が少なく済む、という点からも、(Windows と Chromebook を)比較し検討しました。

インタビュアー:教員の手間というのは、保証の範囲外の故障が増えてしまうと、トラブル対応に追われてしまうといったことでしょうか。

古賀先生:そうですね。保護者との間に入って行うやりとりなどが多くなるので、保証の内容が充実していなければ大きな負担になると思いました。

「教員が使う」「生徒が使う」Chromebook の評価は?

実際に導入された今、Chromebook の印象はいかがでしょうか。

古賀先生:Windows と iPad の両方の良い点を備えていると実感しました。具体的には、Windows のようにキーボードが標準搭載されている点、iPad のようにスリープからの起動が速い点、というどちらの良さも Chromebook にはあると感じています。

小林先生:私は、今まで基本的に試験問題は Windows で作っていました。ですが、今回の期末考査を Chromebook で作ってみたところ、端末が変わっても自分のアカウントでログインさえすれば(クラウド上に)データがあるので、都度パソコンを持ち帰らなくていいという便利さがありました。今後どんなパソコンがいいかと聞かれたら、 Chromebook をおすすめしたいぐらい良いと感じました。

インタビュアー:小林先生は個人的にも Chromebook に対してかなり良い印象を持たれているのですね。はじめての Chromebook 導入から半年ほど経ちましたが、「生徒が使うもの」としての Chromebook への評価はいかがですか?

小林先生:個人的に持たせてよかったなと思うのは、調べ物をするときに生徒たちが進んで調べたりするなど、自主的に動いていることですね。

インタビュアー:やはり生徒様はスマートフォン等での調べものには慣れていらっしゃるので、その感覚で調べられるのはいいかもしれないですね。

端末導入前に行った環境整備について

「最高の環境」を作りたい・・・全教室にホワイトボードを完備

インタビュアー:全教室にプロジェクターとホワイトボードを整備されたとお伺いしました。詳しくお聞かせいただけますでしょうか?

古賀先生:映像を提示する際に、電子黒板では画面が小さく、後ろの生徒は見えにくいので、全ての教室をホワイトボードに張り替えました。今はスピーカー等の整備も完了しているので、繋げば映像授業がすぐできる状態です。また、ホワイトボードなので直接マーカーでも電子ペンでも書くことができますし、ワイドプロジェクターを使うと、電子黒板と比べて、より多くの情報を映し出せます。

ホワイトボードとプロジェクターを使用した授業の様子
ホワイトボードとプロジェクターを使用した授業の様子
インタビュアー:電子黒板を使われている学校様は多いと思うのですが、ホワイトボードに張り替えると映像の見えやすさが全く違いますね。

古賀先生:「端末を購入してもらう」ということが、保護者の費用負担を増やすことになるので、学校として環境を整えるのは当然だという認識でしたね。

木村先生:「買ったはいいけど、使ってないという状況が一番だめ」という話は頻繫に出ましたね。学校の環境が整っていれば、ICTを使えない理由を環境のせいにできないですよね。ですので、「ICTを使える環境が整っている」というのは、教員にとっても、いい意味でプレッシャーになると思います。

インタビュアー:環境を「最高の状態」にしておくために、学校様は事前に準備されていたということですね。

1年間の準備期間を経て進めた導入

インタビュアー:端末導入を2020年度から考えられていたとのことですが、詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

古賀先生:以前から何らかの形で端末を導入するという話があったのですが、学校によって導入方法が様々で、導入を検討するにも何が良いのかわからないという状況だったんです。また、Wi-Fi 等の環境整備も進めていたのですが、2020年度導入となると環境整備が追いつかないということもあり2021年度の導入になりました。

インタビュアー:2020年度の間に Wi-Fi 等の整備が進み、2021年度の新入生から1人1台に踏み切られたということですね。1人1台の端末という話が前々からあったということは、ICT を充実させていくという方針が校内で立てられていたのでしょうか?

古賀先生:1人1台の端末導入に関しては、突然降って湧いたような話ではありませんでしたが、小・中学校へ1人1台端末を導入するという周りの流れが大きかったと思います。中学校で1人1台の端末を使って学習をしていた生徒が、高校ではそういった学習ができないという状況は避けるべきだと考えました。

教員がホワイトボードを選定されている様子
教員がホワイトボードを選定されている様子

Chromebook 導入時の工夫と結果

Chromebook の認知度を上げる工夫

インタビュアー:導入や活用にあたり苦労されたこととして、事前アンケートでは「教員間の Chromebook の認知度の低さ」をあげていただいています。先ほど仰っていたように実際使ってみると Chromebook の良さを分かっていただけたということでしょうか?

古賀先生:はい。ただ、Chromebook が全体に受け入れられるのには時間がかかりました。Chromebook とはどういうものなのか、一つ一つ文書を作成して説明していなければ、理解してもらうのは難しかったと思います。

インタビュアー:説明資料のようなものをたくさん作られたのでしょうか?

古賀先生:そうですね。iPad はキーボードが標準搭載されていないのが理由で、最初に候補から外れたので、Windows と Chromebook の両方のメリット・デメリットについて資料を作成し検討してもらいました。

ICT が苦手な教員をあえて推進委員のメンバーに

インタビュアー:推進委員会のメンバーはどのように選ばれたのでしょうか?

木村先生:実は、私は ICT に苦手意識がある教員の一人で、推進委員はそういう教員も選ばれているんです。苦手な教員は、推進する役割に任命されてしまえば、「苦手だから ICT は使えません」とは言えないんです。

インタビュアー:なるほど、得意な教員を集めるパターンは多いですが、苦手な教員を集めることのメリットもあるのですね。ICT リテラシーが高く、興味の度合いが高い教員だけで進められてしまうと、ともすれば一部が置いてけぼりになってしまうという可能性もありますね。

古賀先生:そうですね、聞きにくい雰囲気になってしまいますよね。情報科の教員だけで ICT を推進しないのも同じ理由です。情報科の教員だけだと、情報科の教員だけに任せればいいという雰囲気が生まれると思うので、最初の頃は、教頭、教務主任、ICT推進委員で念入りに話をして進めました。

保護者様が直接お支払い。学校が間に入ることなく購入できる仕組み

インタビュアー:2021年度は、専用Webサイトを通じて保護者様から直接端末を購入していただける形だったと思いますが、元々そのような購入方法を検討されていたのでしょうか?

古賀先生:そうですね。他校で保護者が直接支払いできる購入方法をしていると聞いたことがあり、本校が生徒用端末を1人1台購入させるならそれがいいという話になっていたので、業者を選定するポイントの1つとしてあげていました。

インタビュアー:実際の結果はいかがでしたか?

古賀先生:保護者の方へ配るチラシに、保護者の方が聞きたいポイントや知りたいことを正確に載せていただきたかったので、何度か(チラシを)修正していただいて、満足いくものになったと思っています。

導入に対する保護者の反応・・・オープンスクールの段階から説明を重ねる

インタビュアー:金銭の負担があることもあり、保護者様へのご説明も色々とお考えになったのかと思うのですが、実際の反応はいかがでしたか?

古賀先生:世の中の雰囲気として、「オンラインで授業を行う」ということが浸透しはじめた時だったので、受け入れてもらいやすかったというのは正直あると思います。ただ、ご理解いただくための説明としては、オープンスクールや説明会では必ず端末購入についてお話していました。新入生や保護者が学校に手続きに来られる時にも、ミカサ商事さんからお借りしたデモ機をお見せし、「こちらを購入していただきます」と説明させていただきました。入学手続きに来られた方全員に話せたと思うので、それでスムーズに導入が出来たということもあると思います。

インタビュアー:オープンスクールでの説明というのは学校を見学されてる方々へ向けてですよね。その時点で端末導入の取り組みを次年度から行う予定だとご説明されていたということでしょうか?

古賀先生:そうですね、何か端末は購入してもらうということは説明をしていました。

インタビュアー:保護者様からは、例えば「Chromebook は本当に安全なのか」というような Chromebook への疑問はあったのでしょうか?

古賀先生:それほどなかったですね。どちらかというと、「子供たちが学習で使うものだから、学校が指定したものを購入するのは自然」という雰囲気で受け入れていただいたと思います。

校務での活用法とメリット

Google フォームを活用した故障時の運用ルール

インタビュアー:端末の故障時にも Google Workspace を活用されていると伺いましたが、どのように運用されているのでしょうか?

小林先生:端末が故障した場合、まず生徒からクラス担任に報告してもらいます。教職員同士の情報共有のために Google サイト™(※1)で作成しているサイトがあるのですが、その中に Google フォーム(※2)で作成した「修理依頼フォーム」があるんです。その「修理依頼フォーム」に、クラス担任が生徒から報告された内容を入力します。それを私がまとめて、修理依頼するという流れです。口頭での連絡の場合は、誰かがメモをとらないといけないですよね。いつどこでどんな風に故障したか、などを担任の教員に入力してもらえば、私たちも連絡をするときに Google スプレッドシート™(※3)を見るだけで済みます。

※1 Google サイトとは、Google Workspace に含まれる基本無料のWebサイト作成ツール
※2 Google フォームとは、Google Workspace に含まれる基本無料のアンケート作成ツール
※3 Google スプレッドシートとは、Google Workspace に含まれる基本無料の表計算ツール

Google サイトを利用した教職員間の情報共有

インタビュアー:先ほどの修理の連絡のように、教員同士のやりとりも Google Workspace をかなり活用されていらっしゃるご様子ですね。

木村先生:教員の共有サイトにその日の「連絡事項」を載せたスプレッドシートがあり、各教員がそのページを確認しながら朝礼に参加します。他の教員に連絡しておきたいことはそこに書き込めばいいので、伝え忘れることもありません。また、クラス担任がホームルームで生徒に連絡をする際も、そのシートを見ながら連絡をすればいいのでメモをとる必要がなくなりました。

Google サイトを用いた教職員の情報共有サイト
Google サイトを用いた教職員の情報共有サイト

授業での活用法とメリット

Google ドキュメント™ の音声入力を活用した発音練習

インタビュアー:授業での Google Workspace 活用についてお聞かせいただけますでしょうか。

木村先生:Google ドキュメント(※4)の音声入力を使用し英語の発音練習をさせています。発音しないと文字に書き起こされないので、普段CDを使った発音練習ではあまり発音しない生徒も一生懸命発音してくれます。

※4 Google ドキュメントとは、Google Workspace に含まれる基本無料の文書作成ツール

プリントの代わりに Google Classroom で課題・資料を配信

木村先生:授業で取り組むワークブックの解答や、今までプリントにして渡していたテスト後の模範解答を Google Classroom (※5)で配っています。生徒は大事なものがなくならないから良いと言ってくれていますね。

古賀先生:チャイムが鳴る少し前に「Classroom に入っておいて」と言っておけば、生徒は準備しておいてくれるので。事前に予約投稿して、チャイムが鳴るタイミングで投稿されるようにしておけば授業をスムーズに始められます。授業で使ったスライドの中で、改めて配布したほうがいいと思われるものはPDFにして Classroom でも配信しています。

インタビュアー:わざわざ資料を印刷して配る機会が減っているということでしょうか。

古賀先生:印刷して配るというのはほとんどないですね。Classroom で課題や授業資料などのトピック(※6)を作っておけば生徒にも通知されるので、便利だなと実感しています。

※5 Google Classroom とは、課題などのやりとりをオンラインで行うことができる学習管理プラットフォーム
※6 トピックとは、Google Classroom にある機能の1つ。課題や資料などを分類ごとに分けて表示することができる。

共有ドライブを用いた小論文の添削指導

古賀先生:小論文などの添削指導も、共有ドライブ(※7)を活用しています。Google ドライブ™(※8)で生徒が書いた小論文の画像やデータを共有します。私はそのデータにコメントを付けることで添削が完了します。

※7 共有ドライブとは、Google ドライブ に含まれる機能の1つ。チームでファイルを管理することできるストレージ領域のことで、チームでファイルの保存、検索およびファイルへのアクセスが可能。
※8 Google ドライブとは、Google Workspace に含まれるツールの1つ。ファイルの保存、検索、共有などが可能。

「もっと使いたい」生徒のポジティブな反応

インタビュアー:1人1台の Chromebook に対する生徒様の反応はいかがですか?

木村先生:「もっと使いたい」と生徒に言われています。教員も生徒と一緒に勉強しているぐらいの雰囲気ですね。私ができるかどうか心配に思うようなことでも、生徒は進んで利用しています。生徒同士で教えあう姿も日常の光景になりました。自分の考えをまとめたり、生き生きと発表したりする姿を見ていると、そういう授業を生徒はもっとしたいんだなと思います。

インタビュアー:Chromebook や Google Workspace を生徒様が使えるようになってから、発表されたり、自ら考えたり、調べるといった機会が多くなったと感じられているのですね。

木村先生:こんなに簡単に発表させることができるのかと思いました。ICTがなければ発表に困難があったと思われる生徒でも、自ら「やります」と言って最後まで発表したんです。そういう意味でも ICT の可能性をさらに感じました。Chromebook とプロジェクターの接続も簡単なので、発表の準備にかかる時間が大幅に短縮できました。自然と生徒の集中力も高まったと感じています。

高稜高等学校の課題と今後の展望

教員側の理解が深まった初年度。生徒による活用の段階へ

インタビュアー:現在の課題についてお聞かせいただけますでしょうか?

古賀先生:現状 Chromebook や Workspace をフル活用しているとは言えないので、まだ出来ることはたくさんあると感じています。半年ほど使用し、教員側が Chromebook でどういうことができるのかを学んだところで、あとは Chromebook を使い生徒の活動をどう展開させるかが次の課題ですね。限られた時間の中で、主体的に Chromebook を使いこなせる授業を生徒達にどれだけ提供できるかが重要だと思います。

「もっと活用できる」教員側の意識改革が最大の課題

古賀先生:あとは「もっと活用できる」という意識を校内に浸透させることが最大の課題かもしれません。探究活動のような、生徒が主体的に考えて情報を発信する授業と、教員からの知識伝達の授業とのバランスが重要ですね。今の大学入試を視野に入れると、知識伝達の授業も必要ですが、それだけでは足りない部分もあると思います。ある程度計画を立てて、Chromebook を使用した授業に注力する期間を作るべきかとも考えています。

インタビュアー:やはり教員は授業のスタイルも様々でいらっしゃると思うので、組織的に特定の期間は端末の使用を推奨するというのは良いかもしれないですね。

生徒自身が学びの可能性を広げられる活用を目指して

インタビュアー:今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか?

古賀先生:生徒が力をつけることが最終目標ではあるのですが、生徒が ICT をもっと利用できるようになればと考えています。学校によっては、ICTを使用する場面と、紙と鉛筆を使用する場面を教員側で決めてしまっているところがあると思います。それはおそらく、教員の基準で線引きをしていると思うんですね。ですが、何を使用するかは本当は生徒が自分達で考えて決めるものだと思います。将来に渡って使えるものを、生徒自身で選択するという時に、Chromebook は選択肢の一つとして本当にいいものだと思いますね。やはり起動の速さとシンプルな操作感というのは、色々なことするための入り口として重要な点です。これからは、ただ資料を配布するとか調べ物をするとかだけではない、様々な活用方法を生徒と一緒に考えていきたいと思います。

インタビュアー:可能性を広げるためのツールとしては、まだまだ活用できる部分があると感じられているということですね。他には、情報発信型の取り組みを増やしていきたいとのことですが、例えばどのようなことをイメージされているのでしょうか?

古賀先生:Google サイトで学校新聞のようなサイトを作ってみないかと生徒会に提案しています。探究学習にもいえますが、活動の仕上げとして「情報を発信する」ことを定着させたいと思っています。生徒たち自身が学校のことを発信することで学校の活性化にもつながると考えています。当初はわからない、どうすればいいのというところからはじまり、ようやく使えるようになったので、その次の段階を考えているところです。

(2021年11月26日取材)

Chromebook を使用しグループワークを行う生徒の様子
Chromebook を使用しグループワークを行う生徒の様子

ICTを充分に活用できるよう学校の環境整備を行い、万全の状態で1人1台を実現された高稜高等学校様。
校務や授業での活用のお話しから、教職員様、生徒様ともにICTを生き生きと活用されているご様子が伝わります。
このたびは貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

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正規販売パートナー
 ミカサ商事株式会社