導入事例

Chromebook 導入

【宮崎県立都城西高等学校】成功事例から学ぶ – 学校全体での Chromebook™ 活用ポイント

【宮崎県立都城西高等学校】成功事例から学ぶ – 学校全体での Chromebook™ 活用ポイント

将来に役立つスキルを生徒が身につけられるように Chromebook を導入された「宮崎県立都城西高等学校」様。
Chromebook 導入前に抱えられていた課題や不安、ミカサ商事への評価、Chromebook 活用方法、ICTに関する展望などについてお話しいただきました。

学校詳細

本校は昭和37年に創立され、令和4年度に創立60周年を迎えました。現在は普通科、県内初のフロンティア科を擁し、校訓である「理想(Ideal)・優雅(Grace)・自主自律(Independence)」のもとで教育活動を展開しています。探究活動やボランティア活動にも力を入れ、グローカルな視点で物事を考える人材育成も積極的に行っています。個に応じた最適な学びを保障する環境のもと、経験豊かな教職員が一丸となって国公立大学をはじめとする生徒の希望する進路目標の実現に向けた指導を行っています。本校の授業は1コマ55分で、放課後の時間は基本的に自由に活用できる「都西サポート」という時間を設けています。学校生活の様々な場面で学習者端末が活躍しています。

学校名宮崎県立都城西高等学校
住所宮崎県都城市都原町3405番地
TEL0986-23-1904
FAX0986-23-2853
HPhttps://tonishi-h.com/

お話をお聞きした先生方

長友先生(左)と岩切先生(右)

総務部情報班のメンバーとして校内のICT推進を担われている。岩切先生は端末導入初年度から、長友先生は導入次年度から学習者用端末の選定・導入等の校内ICTを担当されている。

学習者用端末に Chromebook を選定した理由

生徒の混乱を防ぐため

岩切先生本校周辺の中学校が Chromebook を使っていたことが一つの理由です。中学校で使用していたOSや機種から変わってしまうと生徒が混乱してしまうので、何の問題もなく使用できる端末ということで Chromebook 一択でした。Chromebook を導入することは決定しており、あとは業者を選定するだけという状況でした。

岩切先生検討はしましたが、iPad は価格と納期が遅いということが懸念点でしたね。導入初年度だったため、できるだけ早く校内に端末を導入したいと考えていました。Windows については、本校では Google Workspace for Education(以下、Google Workspace と表記) を使用しているので、Google Workspace との親和性の高さを考慮すると、Windows ではなく Chromebook のほうがトラブルなく使えると思い、候補から外れました。

長友先生Google Workspace はコロナ禍に伴って県が一括で生徒と教職員にアカウントを配付したので、学校全体で使用していたんです。

岩切先生実際に Google Workspace を使っていたことから、Chromebook が一番使い勝手がいいと感じていましたね。できるだけ早く校内に導入できること、かつ、使い勝手がいいことを端末の選定基準としていたので、Chromebook に決定しました。

将来に役立つスキルを身につけるため

長友先生キーボードは必要だと思っていたので、最初からタブレット端末は候補として考えていなかったですね。

岩切先生教育新課程で追加された「情報」の授業は、キーボードがある端末で行うほうが大学や就職等、将来に役立つスキルが身につくことが理由ですね。

岩切先生学習者用端末として Chromebook を導入する前は、教職員用の Chromebook と iPad が県より貸与されていたのですが、ほとんどの教職員は iPad を使用していましたね。今は Chromebook を使用している人も多いです。iPad のほうが馴染みがある教職員が多いので、今も iPad を使っている人はいますが、生徒に使用させるとなるとやはりキーボードがある Chromebook がいいと思います。

Chromebook 導入前に抱えられていた課題や不安

教職員や生徒が端末を適切に使ってくれるのか

岩切先生「Chromebook を『導入しただけ』で、宝の持ち腐れになることは避けなければならない」という考えが大前提としてあったので、教職員や生徒が使いこなせるかどうかを不安に感じていました。どの端末を選んだとしても費用はかかるので、保護者に費用を負担いただくからには、毎日端末活用ができるようにしましょうという方針でした。生徒はデジタル世代なので、端末を使えないという子はいませんでしたね。

長友先生そうですね。生徒については、使えるかというよりも、YouTube™ を見るなど我々が意図しない使い方をしないかどうかが不安でした。先生方が使ってくれるかどうかは本当にわからなかったですね。対面の会話だけで授業や指導をされてきた方も数名いらっしゃったので、そのような方は端末を使えと言われて困惑されるのではないかと考えていました。

自由参加の研修会

岩切先生活用を進めるために、Google フォームの作り方や Google Classroom の活用方法などの研修を行ったんです。大それた会議ではなく、空き時間に研修を行うので興味がある方は来てください、と自由参加で行いました。結果、多くの先生に参加していただき、お互いに教え合いながら研修を進めることができました。現在では、端末を使用しない方は誰もいません。本校は、ICTが苦手な方も活用されているので、学校全体としてかなり活用していると思います。

岩切先生生徒の学習会と同じなのですが、自由参加にすると、少しでもやる気や興味がある方が参加されるので、その方達の意欲を刺激することができます。元々苦手な方や、壁をつくっている方を、強制的に参加させても意欲を刺激することはできません。ですが、そのような方達も周りが活用しだすと、端末を使うようになるんです。結果、先生方は皆使えるようになったので、使えないという方はいません。

長友先生そうですね。とりあえずでいいから端末を使ってやってみようということで、様々な教科の先生が端末を試してくれました。結果として、各教科に端末を使える先生がいる状態になったので、その先生に周りが教えてもらいながら活用を進めている状態です。

岩切先生部活動ではフォームを撮影して Classroom で共有したり、音楽の授業では動画で課題を提出させたりするなど、我々が凄いなと感じるような活用をされている方もいらっしゃるんです。色々な場面で活用されているので、Chromebook を導入して良かったなと感じています。

岩切先生周りの先生方を見て、「国語ではこんな使い方をしている」「体育ではこんなことをしている」というのを聞いたり真似したりして、それが広まっていったのだと思います。

長友先生そうですね。他の先生が使っているのを見て、いいなと思って真似される先生方が多いのかなという印象です。

Chromebook に対する印象および反応

端末活用に不安を抱いていた導入前

岩切先生導入前は、端末を使いこなせるかどうかを一番不安に感じていました。端末を1人1台持つことが初めてだったので、生徒も我々も色々なことができるようになるのではという期待と共に、トラブルがあったらどうしよう等様々な不安もありました。不安を感じていたことは事実ですが、端末導入を全否定するような方はいらっしゃらなかったですね。どちらかというと前向きに活用を進めていこうという意見のほうが多かったです。

効率化に繋がった‥端末導入後の活用状況と評価

岩切先生生徒は何も問題なく使用していて、教職員は様々な場面で活用できていますね。本校は Classi(※1)を導入していて、担任と生徒との日々のやり取りや勉強時間を Classi に記録していたり、これまで用紙に書かせて回収していた学校行事などの活動のポートフォリオを、Chromebook で入力してもらうようにしています。Chromebook を活用して、かなり効率がよくなりました。用紙も準備しなくていいですし、未提出者の確認をPCでできるようになったので、非常に楽になりましたね。

導入1年目と2年目で変わったこと

岩切先生導入学年が増え、Chromebook を持っている生徒の数が増えたので、端末をもっていることを前提に活動内容を考えるようになりました。校内のほとんどの生徒が端末を持っているからこうしましょう、といった感じですね。導入1年目は端末を持っているのが1年生だけだったので、どうしても端末を活用することを前提に考えるのは難しかったです。導入2年目は1、2年生が端末を持っているので、学校全体での行事や活動を Chromebook でやるという選択が多くなりましたね。

岩切先生生徒も慣れてきたというか、教職員よりも生徒のほうが詳しくなっています。「Chromebook にこんな機能がありました」などの情報を生徒が教えてくれるんです。「どう使ったらいいですか」と困っているような生徒はいないですね。どんどん活用していて、この子たちはすごいなと思います。

導入業者選定理由とその評価

納期の早さと営業対応の良さ‥ミカサ商事を選んだ理由

岩切先生Chromebook を導入することが決まり、様々な機種を検討しました。ミカサさんは Acer で、 他は Lenovo を提案していただいた業者さんが多かったのですが、他校と機種や納期について情報共有をしたところ、他社と比べてミカサさんは納期が早かったんです。先ほどお話しした通り、早く導入したいと思っていたので、ミカサさんから導入することに決定しました。

長友先生1年目の導入を担当された先生が、ミカサさんから導入した結果、非常に対応がいいから2年目もお願いしましょうということだったので、1年目に続き2年目もミカサさんから導入することになりました。

岩切先生営業の方の対応がいいですね。今年度、端末価格が上がりましたが、そのことについても営業の方に丁寧に説明していただきました。来年度の端末は更に価格が上がっていたのですが、こちらの要望に対して、わざわざ本校まで来て説明をしてくださったので、対応はかなりいいなと思いました。

岩切先生導入初年度なので、盗難保証は重視しました。また、どの業者も対応していると思うのですが、3年間の保証とトラブル時の対応ですね。トラブル時の対応と迅速に動いていただけるかどうか、真摯な対応をしていただけるかどうかはかなり重視しました。導入後に他の学校から話を聞くと、あまり対応が良くない業者もいたようなので。学校間で情報ネットワークがあるので、そこで「どこの業者がいいよ」というように情報を交換したのですが、ミカサさんは評判が良かったですね。また、要望に対して適切に対応していただけることを重視しているのですが、ミカサの営業の方は確実に対応してくださっていますね。定期的に来校していただいて、本校の状況を聞いてくださったり、来年度の提案について説明してくださったり、導入して終わりではなく、導入後も引き続き対応していただいています。

岩切先生初年度は、端末を学校のネットワークに繋げる作業を私たちで行ったのですが、それが非常に大変だったんです。その時のことを営業の方にお話ししたら、県の担当業者の方と話していただいて、Chromebook にアカウント情報を入力したらネットワークに繋がるようにしていただいたんです。作業がかなり楽になったので、とても助かりました。

納品に関する評価

スムーズな納品と親身な対応

岩切先生コロナ渦だったので納品スケジュールなどはオンラインでの説明だったのですが、無事に納品予定日の午前中に全ての端末が届きました。初期不良の端末は数台ありましたが、それ以降は故障した端末はかなり少なく、2023年に入ってからはまだ1台も修理に出していないので、この端末でよかったなと感じています。納品も早くて対応も良かったので、とても助かりました。

個人販売の感想

岩切先生そうですね。学校がお金を扱うと教職員の負担がかなり増えてしまうので、できるだけ学校側の労力を減らすためにミカサさんと話をしていました。

岩切先生導入初年度は、ECサイトでの購入期間内に購入できなかった保護者がいたので、再度4月の中旬ぐらいにECサイトを開いてもらい保護者に購入してもらったのですが、その対応をすぐに行っていただけたことが良かったです。また、分割払いもできるなど、保護者が多くの支払い方法から選択できるというのもいいなと思いました。

Chromebook の活用方法

Google Chat を活用した探究活動

長友先生今 Chromebook の活用として一番使っているのが探究活動だと思います。総合的な探究の時間で、調べたり、スライドを作ったり、資料をまとめたりする際に Chromebook を活用しています。作業をするためにわざわざパソコン室に行くことなく、探究活動を行うことができます。2年生が探究活動で Google Chat を使い外部企業の方と連絡を取っているのですが、端末導入前は個人のスマートフォンで行っていたのを今は Chromebook で行えています。

長友先生外部の方と連絡するための公的なアカウントが生徒にはないので、Google Chat を活用していますね。

岩切先生生徒の個人のLINEなどはもちろん駄目ですが、Google Workspace の学校のアカウントを使ったやり取りは、使用時には担当の職員がついて管理もできるので特に心配はしていません。むしろ活動の幅が広がるのでいいと思っています。

長友先生企業の方にも事前に学校に来てもらい、こちらで選定した企業の方と連絡を取っています。見知らぬ誰かと、というわけではないので不安はないですね。

岩切先生学習用の端末なので、学習以外では使わないことをルールにしています。ルールについては、スマートフォンと同じ扱いをしていますね。私たち(岩切様・長友様)が管理者なのですが、生徒が動画サイトやサイトページなど、どこにアクセスしたのかを管理者側で全てわかるようにしています。定期的にログを確認して、生徒への注意喚起を行っているおかげかトラブル等もないですね。

Chromebook を活用した授業の様子

デジタル採点と Chromebook を活用したテスト返却

長友先生授業では、Google フォームを使って小テストや授業の振り返りなどを実施しています。Chromebook を開けば簡単に実施できるので、紙で行うよりも効率化できていますね。

岩切先生他には定期テストにも Chromebook を活用し、Google Classroom でテストを返却しています。テスト用紙をスキャンしてPDF化し、それを百問繚乱(※2)というデジタル採点で採点した後、Classroom で返却するという流れです。

部活動での活用

岩切先生部活動では、運動部なら Chromebook でフォームを録画して確認したり、文化部なら音楽を流したり、自分が演奏してる様子をとったりするなどして活用していますね。今まで学校行事の文化祭の合唱の練習はキーボードを持ってきて行っていたのですが、今は Chromebook を使って YouTube でパートごとに音楽を流しています。もう学校生活の一部になっていますね。自然に溶け込んでいます。

Google フォームを使ったオープンスクールの申し込み

長友先生いえ、2022年まではFAXや電話、メールだったのですが、他の学校さんがやっているのを聞き、デジタル化して負担を減らすためにフォームを作りました。

岩切先生いえ、我々は総務部情報班なのですが、これは学校の校務を担当している教務部が作成しました。我々だけではなく、様々な校務分掌で活用しています。

岩切先生アンケートなどの回収が全てパソコン上でできるようになりましたし、端末を持っていること前提で物事を考えることができるようになったので、時間の短縮などかなり効率化できたと思います。

学校全体で活用を進めることが出来た要因

長友先生ICTが得意な先生や好きな先生が活用されているのを見て、興味を持たれた先生が教えてもらいながらやってみる、それを見てた人がまたやってみるというように良いサイクルができたからだと思います。

岩切先生そうですね。あとは、情報共有だと思います。自分1人で活用を進めずに、周りの先生に情報を共有し、互いに教え合ったり聞いたりしているからですかね。

岩切先生はい。そちらのほうが大事だと思っています。先生方は皆さん活用に積極的で、 活用方法について話していると自然と人が集まって、年齢などは関係なくお互い教え合っているので、全体として活用が進んでいるのだと思います。

ICTに関する展望

生徒個人の端末を使用したCBT対応

長友先生将来的にCBT方式を取り入れることになれば、生徒全員が端末を持っていると円滑に運用できるだろうと考えていますね。今まではパソコン室の端末で実技等を行っていたので、教材は Windows 仕様で作成していたのですが、Chromebook で実施できるように教材を Chromebook 用に作り変えている最中なんです。教材や課題を Classroom で配信すれば、生徒は持ち帰った自分達の端末を使って課題を行うことができるので、課題ができない言い訳ができなくなったんです。そういう意味では、指導がしやすくなるのかなと思います。

岩切先生今は大学入試もインターネット出願が主流になってきたので、家で記入した書類を持ってきてもらって学校で確認するという必要がなく、学校で対応できるようになりましたね。

長友先生様々な場面でICT化が進み、インターネットでの申請が増えてきていますが、それらにも生徒自身の端末を使うことができます。学校のパソコンを貸し出すということがなくなるのは、時代の転換期なのだなと感じますね。

教員・生徒ともにさらなるICT活用を目指す

岩切先生教員の活用については、端末活用に慣れてくると、色々な上級スキルを身に付ける先生もいらっしゃるので、そのスキルを他校や県全体の先生方に共有できるといいですね。新課程になり、新しい授業スタイルでICTを活用しなさいということを文科省も推進しているので、すでに他校の先生方と情報交換を行っているのですが、かなり高いレベルで活用されている方がたくさんいらっしゃるんです。今後、さらに活用レベルが上がると思いますので、そのような活用方法を含めた情報共有を続けていきたいと思っています。

長友先生授業での端末活用は探究授業がメインになっていますが、他の場面でも活用が広がっていくといいなと思っています。今はまだ先生方の活用レベルには差があるのですが、進んで活用される先生を見て自分もやってみようと考えられる先生が増え、活用がさらに広がり、全体的にスキルアップしてさらに高いレベルでの活用ができればいいなと思っています。

岩切先生活用度は高いほうなのではないかと思います。

長友先生ほとんどの教科の先生が、とりあえず使ってみようという気持ちで活用してくださっていて、はじめから端末を活用することを諦めている方があまりいらっしゃらないんです。

岩切先生年齢問わず色々な方が情報共有して活用してくださっているので、これからもこの良い状態を維持して、さらに活用を進めていきたいですね。

まとめ

学習者用端末として1人1台の Chromebook を導入し、校内全体で活用を進められている宮崎県立都城西高等学校様。Chromebook の活用方法や、校内全体で活用を進めることができた要因について、お話しいただきました。このたびは貴重なご意見や情報を共有していただき、誠にありがとうございました。

Google for Education™ 正規販売パートナー ミカサ商事株式会社